ドイツで知り合った友人が、満を持して本を出版
この本の著者である泉原嘉郎(いずはら よしお、福岡大学 助教授)さんとは、私がまだドイツに滞在していたとき、「コーディネーション」をキーワードに知り合いました。当時彼はライプツィッヒに住んでしましたが、私がSV Werder Bremenでコーディネーションコーチをしていたことを共通の友人から聞きつけ、わざわざ私が住んでいた町ペンツベルクまで友人と共に訪ねてきてくれました。
2003年2月9日に行われたブンデスリーガ第20節のFCバイエルン・ミュンヘン対ハンブルガーSVの試合をミュンヘンのオリンピックスタジアムへ一緒に観に行ったのですから、今改めてインターネットで調べてみると、もう17年も前に初めて会ったことになります。
ちなみにこの試合は、FCバイエルン・ミュンヘンのGKオリバー・カーン選手の無失点記録の更新がかかった試合でしたが、ハンブルガーSVのFW高原選手の得点により、その記録が途絶えた試合でもありました。
泉原さんには当時私が借りていたアパートに泊まってもらい、夕飯を一緒に食べたりなどしながら、いろいろと語り合った記憶があります。彼は好奇心の塊のような人で、シャルケ(最近引退した内田選手がかつて所属していたクラブ)がコーディネーションにおいて進んでいると聞けばすぐにクラブを訪れ担当コーチと話すなど、ともかく彼の最大の武器(良さ)はフットワークが軽いことであり、先進的な指導者やクラブを訪れては、彼の興味の中心にあるコーディネーションに関する情報を一生懸命に集めていました。
そんなコーディネーションに関してはマニアックと言っても過言ではない泉原さんが、満を持して彼の大好物である「コーディネーション」についてまとめた本を出版しました。
動画でわかる サッカー・コーディネーショントレーニング バイブル
有難いことに、本の最後にある「おわりに」で、わざわざ私の名前を載せてくれました(上記写真参照)。実は我々がまだお互いにドイツに居た頃、彼はすでに本の出版を寸前までまとめていました。そして、その原稿を私が添削させてもらったことがありました(残念ながらその後、その原稿は出版には至りませんでしたが)。
そんな経緯もあり、きっと今回私の名前を出してくれたのだと思います。肩書きだけでなく、ネットショップのURLまで書き添えてもらい、たいへん有り難く思っています。
本の内容は、私もまだ読み進む途中であるため全体を網羅したことは書けませんが、「バイブル」と名付けただけのことはあり、多角的な視点に立って行った研究成果を総合的にまとめたことがよくわかる仕上がりになっていると思います。
整理された理論だけでなく、具体的な練習例も載せていて、さらにその練習模様を撮影した動画へのリンクまでもが用意されている。内容を理解するためには、まさに「至れり尽せり」だと思います。
本の最初の「はじめに」に書かれている言葉が、泉原流コーディネーショントレーニングの真髄を表しています。
「コーディネーショントレーニングの1番の特徴は、遊び心をくすぐる工夫が随所にちりばめられているため、子どもから大人まで、ワクワクする要素が満載であること」
単にこの本のまとめやモットーということだけではなく、泉原さんの行うコーディネーショントレーニングにおいてのコンセプトが上手に表現されていると感じます。
コーディネーションについてもっと知りたいと思っている方には、まさにぴったりの本です。掲載されている練習例も現在指導されているチームで、実際に行ってみるとおもしろいと思います。
先週のブログ(8月30日)へオンラインサロン「モダンなサッカー指導 〜世界基準を目指して〜(仮題)」を立ち上げることを書きましたが、ぜひオンラインセミナーの講師として泉原さんにも出演してもらい、泉原流コーディネーショントレーニングの真髄について熱弁をふるってもらいたいと考えています。セミナーの実現を考えただけで、ワクワクしてきます。
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