ドイツと日本、2カ国の間で驚くほど違う、『えっ?そうなの?』の数々を一つ一つご紹介していきます
ドイツに住んでいた私(店主)の所に、夏休みを利用して38日間、中学生が超短期留学をしたことがありました。そしてそのドイツに居る彼を訪れる親戚の方が来るということで、急きょミュンヘンでの美味しいレストランを探すことになりました。
当時私はとある電気機器製造会社に勤めていたため、同僚に「ミュンヘンのいいレストランを知らないか?」と尋ねました。
私「今度日本人でここを訪れる客人が居るんだけど、ミュンヘンでどこか?いいレストランを知らない?」
女性の同僚「知らないわ。申し訳ないけど」
私「えっ?なんで知らないの?」
女性の同僚「だってミュンヘンで食事したことないもの」
私「えっ?ミュンヘンで食事したことないの?」
女性の同僚「そうよ。だってミュンヘンには、これまで(彼女は推測ながら40代)何回かしか行ったことないわ。まぁ、行く必要もないしね」
この会話が展開された会社がある町ペンツベルク(Penzberg)からミュンヘンまでは、車でアウトバーン(高速道路)を利用して約45分、列車で約1時間、距離にして約50 kmほどです。日本人の感覚からしたら、1時間ほどで目的地に到着できるのであれば、買い物でも食事でもまったく範囲内と感じます。
このとき頭に思い浮かんだのが「ゆりかごから墓場まで」の言葉です。『ああ、こういうことを言うんだなぁ』と思いました。
彼女だけでなく、ドイツ人は、あるいは少なくともこのペンツベルクの地域に住む住民は、買い物や外食のために1時間も移動はせず、もっと家の近場で済ましているということがわかった瞬間でした。一生の単位で考えると、日本人の方がやたら移動に時間をかけてしまっているようにも感じました。
ちなみに通勤時間ですが、私の知る限り通常車で20分くらいです。中には列車に1時間揺られてミュンヘンで働いている知人も居ますが、そういった人の数はとても少ないです。ほとんどの人が住んでいる町、あるいは近隣の町で働いています。まさに、「食住接近」ですね。
就職先を東京や大阪など大都市に求める人も多い日本とは違い、職場はとても家に近いのがドイツの特徴だと思います。おそらくドイツでは、単身赴任は考えられないのではないでしょうか?今まで一人しか出会ったことがありません、ドイツに16年も住んでいて。
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